にぎわいの中で

おいしそうなパンが並んでいる。
わずか２日目でもうパンが食べたくなってきた。
天然酵母のパンと大きなチーズ入りパンをふたつ。
店の人は携帯で話しながら、片手間の接客だ。
「カットするのぅ?」ぐらいの調子で聞いてきた。

うんうんてな調子でうなづいたら、携帯で話しながら大きなナイフで切り始めた。
こっちはスライサーで切るのかと思っていたからちょっと驚いた。
なんだ、ナイフで切るんだったら家でも良かったよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なんて思っていたら、無造作に袋につっこんで、値段のシールを貼って無造作に渡された。

携帯の話しはまだまだ続きそうだ。

近くに長い間建設中だった大きなオフィスビルが出来たせいで、
おかゆやさんや、中華料理屋さんがなくなって銀行の支店が多くなった。
雑多な通りの中でその前だけが、不自然なほどきれいだ。

屋台とたいしてかわらない店が立ち並び、大きな魚が無造作に夏の光の中に並べられている。
生臭いにおいの中、どんどん売れて行く。
ここの店のおばさんも、携帯で話しながらの接客だ。

なんだかみんな忙しい。

ワイワイワイワイ忙しそうだ。


道路のゴミ箱を漁っている人がいた。
アルミ缶でもさがしているのか顔も汚れたおばあさんだ。

見上げればガラス一面の高層ビル。

蒸し暑い熱気の中を突き飛ばされながら歩く。

ここでは立ち止まって考えることはありえないのかもしれない。

人間が人間ではなくて、なんだかひとつのコマになっている街。
そんな気がする街。
香港。


すんごく大切なことを忘れてしまいそうな街。

コメント 1

俺も最初は信じられなかったんだけどね。
百聞は一見にしかず
http://x6ldm5-.maji.haya.mobi/x6ldm5-/
by まじすか (2011-09-03 05:43)